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一枚の合板からつくる椅子〜第7回「湧水地点」

2020.04

一枚の合板からつくる椅子
3×6=5stools
five stools

大学での担当授業で出題したプロダクトデザインとして、極めてオーソドックスな授業課題に自ら取り組んでみた。

1尺は30.3mm。
3尺×6尺をメートル法で換算すると、約910mm×1820mm。
日本の尺貫法によって定められた建材等に適用される規格サイズです。
規格化によって大量生産される合板素材は低価格で入手できますが、決して価値の低い素材ではありません。
むしろ無垢材では考えられない、反りの影響を抑え、縦横方向における均一な剛性が確保できている点で、無垢材を超える優秀な素材といえます。
このスツールは、それらの背景を踏まえた上で設計されています。

・スツールとしての必要十分なサイズを確保する
・材の無駄を極限まで減らす
・流通体積を極限まで圧縮する
・座面と脚を固定するための機構開発
・組み立て式であること
・簡単に分解できること
・CNC加工による製造の簡易化

上記の条件を設けた上で、構造と部材取りの限界に挑むことによって、自らの意図はすでに存在できない必然のフォルムに近づいた。

課題に取り組んだ学生は、シンプルな条件に応える楽しさと難しさを感じてくれたのではないかと期待している。

作品は3/1から4/19の期間で開催されたAKIBIものづくりデザイン専攻の教員・助手による研究作品発表展「湧水地点」に出品しました。
https://www.artscenter-akita.jp/archives/11578

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